大蓮寺 (京都市) (Dairen-ji Temple (Kyoto City))

大蓮寺(だいれんじ)は、専蓮社深誉上人により開基。
後光明天皇安産勅願所で、通称「安産祈願の寺」として有名で京都市左京区にある浄土宗の寺院。
山号は引接山。
院号は極楽院。
本尊安産阿弥陀如来は慈覚大師作とされて有名。
ほかに十一面観音を安置し、洛陽三十三観音霊場第8番札所となっている。

また、明治から大正にかけて、所属していた「走り坊さん」の奇行や貧困層に対する施しは、京都名物として有名で、大正7年の新聞紙面で「今一休」とたたえられている。

歴史
この寺は、慶長5年(1600)深誉が下京区五条通に創建したのに始まる。

以後、後光明天皇勅願所となり、後を有栖川宮家が継いで明治まで信仰されている。
寺紋は有栖川紋。

明治初年の神仏分離に伴い廃寺となった祇園社(現在の八坂神社)観慶寺から薬師如来像などの仏像がこの寺に移されている。
また、昭和に入り現在の場所にあった常念寺に統合された。

文化財
安産阿弥陀如来像
慈覚大師作、真如堂の阿弥陀如来の御分身にして、女人救済「安産阿弥陀如来」として有名。

十一面観音像
祇園社・観音堂の観音さまで、一彫かや造りで、10世紀の仏像。
洛陽三十三所観音霊場の第8番

薬師如来立像(重要文化財)
この像はかつて祇園社(現・八坂神社)の本地仏であったもので、祇園社と同じ境内にあった観慶寺薬師堂に安置されていたが、明治の廃仏毀釈・神仏分離で観慶寺が廃絶した後、大蓮寺に移された。
定朝様の温和な作風の像で平安時代後期の作風を示し、祇園社が延久2年(1070年)の火災で焼失した直後に造立されたものと推定される。
作者は定朝の弟子で院派・慶派の祖である覚助と推定する説もある。
像高192cm。

夜叉神明王
洛陽十二社中で、強い厄除の仏像。

札所

洛陽三十三所観音霊場
7 長楽寺 -- 8 大蓮寺  --  9 青龍寺(京都市)

所在地・アクセス
京都市左京区東山二条西入1筋目下ル正往寺町457

京都市営バス東山二条・東山仁王門バス停より徒歩3分

[English Translation]